2009/11/29

白熱灯

先日、ライティングデザイナーの内原智史さんが主宰するUCLDの展覧会のオープニングに行ってきました。

ろうそくと白熱灯、LED=19、20、21世紀にまたがる光を使ったインスタレーションによる展覧会です。



上部に白熱灯、下部にLED仕込みのろうそくと映像の組み合わせで光の環境をつくってます。
普通ライティングデザインというとビカビカに明るくライトアップしたものを想像しがちですが、ここでは逆に暗めの明かりを使って空間をつくってました。
内原さんによると、昨今のエコ・ブームで普通の白熱灯=反エコみたいな風潮で世の中的に悪者扱いされているのですが、明るさを絞って使うことでLED以上に耐久性が高く、かつ暖かい雰囲気の明かりが得られると。そういう意味では悪者扱いして排除するのではなくて、むしろ明るさを抑えて空間の雰囲気をつくることが大事なのではないか、という話でした。
確かに日本の都市というのは明るすぎる傾向があって、もっと明るさを抑えめにするほうが全体として理にかなっている訳で、CDに対してレコードが今も生き残っているように白熱灯も適材適所で使うことが本当のエコではないか、と。
確かに日本のデザインというのは新しいモノを追求するあまりに昔からある技術を生かす、ということを忘れている、という傾向は他の国に較べて顕著な感じなので、そういうクラシックな技術の良さみたいなものを活かすというのは建築のデザインにとっても示唆に富んでいる気がしました。
やっぱり視点をちょっと変えることで当たり前のモノが新しい役割を負うこともある訳で、我々もそういう視点を大事にしたいなと、思った次第です。